04. Spresense LTE-M 初期設定
はじめに
初期設定を開始する前に、下記をご準備ください。
- Spresense LTE-M構成を参照して、Spresenseハードウェア構成品を組み合わせた状態にしてください。
- 初期インストールを参照して、NEQTO Engineをインストールした状態にしてください。
初期設定を開始する前に、サポートされている通信仕様を確認してください。
USIMカードの挿入
初期設定の前に、Spresense LTE拡張ボードにUSIMカードを挿入しておく必要があります。
電源オフの状態で、USIMスロットにUSIMカードを挿入してください。
初期設定
Spresenseの初期設定を行います。以下の手順に沿って操作してください。
事前にTeraTerm(ターミナルソフト)がインストールされたWindows10 PCを用意してください。
SpresenseボードをPCに接続する前に、USBシリアルドライバをインストールする必要があります。
下記リンクよりドライバをダウンロードし、インストールしてください。SpresenseメインボードとPCを通信用USBケーブルを使って接続します。
デバイスマネージャーを開き、Spresenseが接続されているCOMポート番号を確認します。
TeraTermを起動し、COMポートを開きます。
下記の通り、シリアルポートと端末の設定をします。
COMポートをオープンし、
Welcome to NEQTO!
が表示された後、2.5秒以内にキー入力を行うと、User Consoleモードに入ります。
プロンプトが表示されない場合は、一度USBをPCから外し、再度、3. の手順から行ってください。
Welcome to NEQTO!
neqtoSpresenseLteM Ver.00.00.00 Build [Apr 1 2021 00:00:00]
Copyright (c) 2020 JIG-SAW INC. All Right Reserved.
User Console Mode!
> ↵
> ↵
>
Spresenseの通信設定を行います。
下記コマンドで必要項目を設定します。
尚、設定値はコマンド入力後、不揮発メモリに即時保存されます。通信設定コマンド一覧
コマンド 内容 備考 lte set apn <APN> APNを設定します。
最大62文字の半角英数字と一部記号{.}
,{-}
のみ使用可能となります。
<APN>を省略した場合、設定値はブランクとなります。lte set user <USER> ユーザー名を設定します。
最大62文字の半角英数字と半角記号のみ使用可能となります。
但し、{空白}
及び制御文字は指定できません。
<USER>を省略した場合、設定値はブランクとなります。lte set pass <PASS> パスワードを設定します。
最大62文字の半角英数字と半角記号のみ使用可能となります。
但し、{空白}
及び制御文字は指定できません。
<PASS>を省略した場合、設定値はブランクとなります。lte set auth <pap/chap> 認証タイプを設定します。
デフォルト値はpapとなります。lte get LTE接続設定情報(APN, ユーザー名, パスワード, 認証タイプ)を取得します。
ブランクの場合は何も設定されていない状態となります。下記はコマンド入力例となります。
> lte set apn lte.com↵
OK
> lte set user user↵
OK
> lte set pass abcdefg↵
OK
> lte get↵
APN : lte.com
USERNAME : user
PASSWORD : abcdefg
AUTH : PAP
>
USIMに関連するAPN、ユーザー名、パスワード、認証タイプ情報につきましては、通信事業者にお問い合わせください。
はじめてNEQTOサービスに接続する場合は、「チャレンジ登録」へ進んでください。
既にチャレンジ登録済みの場合は、
start
コマンドを入力して、NEQTOサービスを開始します。
尚、start
コマンドを入力する前に、NEQTO Console上でノード登録を完了しておく必要があります。コマンド 内容 備考 start 通信接続を行い、NEQTOサービスを開始します。 > start↵
OK
> [system][info]Certification Complete(00.00.00)
[system][info]Checking Script...
[system][info]Ready
Thu Apr 08 2021 02:31:03 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 0
Thu Apr 08 2021 02:31:04 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 1
Thu Apr 08 2021 02:31:05 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 2
Thu Apr 08 2021 02:31:06 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 3
Thu Apr 08 2021 02:31:07 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 4
Thu Apr 08 2021 02:31:08 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 5
Thu Apr 08 2021 02:31:09 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 6
Thu Apr 08 2021 02:31:10 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 7
Thu Apr 08 2021 02:31:11 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 8
Thu Apr 08 2021 02:31:12 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 9
Thu Apr 08 2021 02:31:13 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 10
チャレンジ登録
SpresenseをはじめてNEQTOサービスに接続する場合、NEQTO Consoleから発行されるSpresense用シリアル番号をデバイスに登録する手順を実行する必要があります。"チャレンジ登録"と称します。
チャレンジ登録では、NEQTO Consoleとの通信接続が行われますので、事前に通信設定を完了させてください。
以下の手順に沿って操作してください。
1. で登録したSpresenseデバイスの詳細を表示し、チャレンジコードを確認します。
User Consoleモードで
chal
コマンドを入力します。2. で確認したチャレンジコードを指定してください。コマンド 内容 備考 chal <Challenge Code> チャレンジ登録を予約します。
チャレンジコード12文字を指定します。start
コマンドを入力する前ににコマンドを入力する必要があります。User Console Mode!
> chal 123456789Abc↵
OK
>
start
コマンドを入力すると、チャレンジ登録が開始されます。チャレンジ登録が成功すると、継続して、NEQTOサービスが開始されます。
User Console Mode!
> chal 123456789Abc↵
OK
> start↵
OK
> [system][info]Registration Complete(00.00.00)
[system][info]Checking Script...
[system][info]Ready
Thu Apr 08 2021 02:31:03 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 0
Thu Apr 08 2021 02:31:04 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 1
Thu Apr 08 2021 02:31:05 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 2
Thu Apr 08 2021 02:31:06 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 3
Thu Apr 08 2021 02:31:07 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 4
Thu Apr 08 2021 02:31:08 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 5
Thu Apr 08 2021 02:31:09 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 6
Thu Apr 08 2021 02:31:10 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 7
Thu Apr 08 2021 02:31:11 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 8
Thu Apr 08 2021 02:31:12 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 9
Thu Apr 08 2021 02:31:13 GMT+00:00+766ms : Hello World!!! 10
下記の表示となった場合、チャレンジ登録が失敗しています。
NEQTO Consoleの設定を見直し、再度、チャレンジ登録をやり直してください。User Console Mode!
> chal 123456789Abc↵
OK
> start↵
OK
> Challenge failed. Check the network configuration and try again.
Welcome to neqto!!!
neqtoSpresenseLteM Ver.00.00.00 Build [Apr 1 2021 00:00:00]
Copyright (c) 2020 JIG-SAW INC. All Right Reserved.
Enter challenge-code!
User Console Mode!
チャレンジ登録が成功した場合、次回起動時から、チャレンジ登録を行う必要はありません。
尚、NEQTO Console上でデバイスの登録を変更した場合は、チャレンジ登録をやり直す必要があります。
トラブルシューティング
デバイスの動作状況はシステムLEDの点灯状態やイベントメッセージ表示から把握することができます。
システムLED1が点灯、システムLED2が点滅の状態のまま、NEQTOサービスが開始されません。
LTEに接続できていません。
» SpresenseのLTE通信設定を見直してください。
» USIMカードが正しく挿入されているか、確認してください。
» LTE無線通信環境が良好であるか、確認してください。システムLED1が消灯、システムLED2が点滅の状態のまま、NEQTOサービスが開始されません。
NEQTO Consoleに接続できていません。
» NEQTO Console上のデバイス設定を見直してください。
» それでも解決できない場合は、NEQTOサポートまでお問い合わせください。
Appendix
デバイス固有情報取得
下記コマンドで、デバイスの固有情報を取得することができます。
コマンド | 内容 | 備考 |
---|---|---|
sr | SpresenseのシリアルIDを取得します。 | |
v | SpresenseのFWバージョンを取得します。 | |
u | SpresenseのユニークIDを取得します。 |
アンテナレベルの表示
現在のアンテナレベルをシステムLEDで表示することができます。
LEDの表示パターンはシステムLED動作を参照してください。
コマンド | 内容 | 備考 |
---|---|---|
lte led <on/off> | アンテナLED表示を設定します。 off: 無効 on: アンテナレベルをLEDで表示します。 デフォルト値はoffとなります。 |
圏外ウォッチドッグタイマ
このタイマは圏外を検出すると開始され、圏内を検出すると停止されます。
圏外が継続し、タイムアウトが発生すると、動作スクリプトを実行したまま、LTEモデムのみ再起動を行います。
この機能は、予期せぬLTEモデム障害による継続的な通信不能状態から復旧することを試みるセーフガード機能となります。
尚、設定値はコマンド入力後、不揮発メモリに即時保存されます。
コマンド | 内容 | 備考 |
---|---|---|
lteex set ooswatchdog <TIMER> | 圏外ウォッチドッグタイマを設定します。 <TIMER>: 0~24 [時間] 0を指定した場合、無効となります。 デフォルト値は0となります。 | |
lteex get ooswatchdog | 圏外ウォッチドッグタイマ設定値を取得します。 |
識別情報取得
下記コマンドで、LTEモジュールの識別情報を取得することができます。
注意として、start
コマンド前、およびstart
コマンド後の初期化処理中に、このコマンドを実行すると、識別情報は空白となります。
コマンド | 内容 | 備考 |
---|---|---|
lte id | LTEモジュールの識別情報を取得します。 IMEI:IMEI (International Mobile Equipment Identity) 15桁の文字列となります。 IMSI:IMSI (International Mobile Subscriber Identity) 15桁の文字列となります。 SIM未検出の場合は空白となります。 MSISDN:MSISDN (Mobile Station International Subscriber Directory Number) SIM未検出の場合は空白となります。 ICCID: ICCID (IC Card ID) 19~20桁の文字列となります。 SIM未検出の場合は空白となります。 MODEL: LTEモジュールのモデル名 '1250' REVISION: LTEモジュールのファームウェアリビジョン (FWバージョン 02.00.01以降) モジュール未起動の場合は空白となります。 |
信号品質情報取得
下記コマンドで、LTEの信号品質情報を取得することができます。
注意として、start
コマンド前、およびstart
コマンド後の初期化処理中に、このコマンドを実行すると、取得失敗となります。
コマンド | 内容 | 備考 |
---|---|---|
lte sq | LTEの信号品質情報を取得します。 TIME:更新日時(Unixtime) REGISTERED:サービングセルの登録ステータス 0: not registered 1: registered 取得失敗時は0となります。 RSSI:RSSI[dBm] 範囲: -113~-51 -255: unknown 取得失敗時は-255となります。 RSRP:RSRP[dBm] 範囲: -141~-44 -255: unknown 取得失敗時は-255となります。 RSRQ:RSRQ[dB] 範囲: -20~-3 -255: unknown 取得失敗時は-255となります。 SINR:SINR[dB] 範囲: -20~30 -21: unknown 取得失敗時は-21となります。 TAC:TAC (Tracking Area Code) ※非サポート、常に0となります。 CI:CI (Cell ID) ※非サポート、常に0となります。 MCC:MCC (Mobile Country Code) 取得失敗時は0となります。 MNC:MNC (Mobile Network Code) 取得失敗時は0となります。 |
工場初期化
下記コマンドで、Spresenseを工場出荷状態に戻すことができます。
通信設定、ストレージデータが全て初期化されます。
尚、工場初期化後は、再度、チャレンジ登録からやり直す必要があります。
コマンド | 内容 | 備考 |
---|---|---|
frst <uniqueId> | 工場初期化を実行します。uniqueId にはSpresenseのユニークIDを指定します。(u コマンドで取得可能)コマンド実行後は、応答が返却されるまで待機してください。 10秒程度、時間がかかります。 | |
frst <uniqueId> full | 完全な工場初期化を実行します。 ストレージを完全にイレースします。 uniqueId にはSpresenseのユニークIDを指定します。(u コマンドで取得可能)コマンド実行後は、応答が返却されるまで待機してください。 40秒程度、時間がかかります。 |